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半月状の背中、膨らみは揺れて
半月状の背中、膨らみは揺れて

奥泉桃香
私は小さな頃「なんだか、どこにも居場所がないなあ」と感じていた時期がありました。 その頃私は眠りにつく前にベットの上で「明日、目が覚めたら宇宙が砕けてますように」と毎晩思ってました。 特定の物や場所や誰かを憎むのではなく ただ今日と同じような明日が、また来てほしくなかった。 ある程度大人になれば自分でお金も稼げるし、最悪学校にもきっと無理していかなくてもいいし、住む場所も自分で決めることができる。 だけど小さな小さな子供は 決められた場所でしか生きれない。 じゃあどうやって私は日々を乗り越えてきたのだろう、と思った時に浮かんだのは「本」でした。 ここで言う私にとっての「本」は 自分が書いている詩や小説ではなく りぼんやちゃおだったんだけど 昔から何度も何度も同じ本を、同じ話を繰り返し読む癖があって、私は表紙のページをめくるたびに不思議と「やっと帰ってこれた」というような気持ちになってました。 今思えば、本が私の居場所になっていたのだと思いました。 表紙のページをめくるという行為が、今生きている世界とは、また違う世界の扉を開けるという行為になっていました。 素晴らしい本を読むことで、「次の日から突然人生が変わる」なんてことは、良い意味でも悪い意味でもないのだと思う。あると思いたいしあるよって言いたい気持ちもあるけど、きっとない。 実際、小さな頃の私も、変わらず「宇宙が砕けますように」と思ってた。祈ってた。願ってた。 だけど、表紙のページをめくって、物語の世界に潜り込むそのひとときだけ、安全な場所へ連れて行ってくれる。それだけは確か。 そう気付いた時に、詩が好きな人や居場所がないな、と思ってる人に、違う世界に連れて行ってくれる扉に出会って欲しい。そしてその扉を少しずつ増やしていって欲しい。そして時々この本にも帰ってきて欲しい。そう思いました。 どうか私の一冊が、あなたの居場所になりますように。
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